(2013年 追記)
以下のコラムはすべて、2003年ごろ、XXがシリーズ最新作だった時代に書いたものです。
引用している情報も当時のもので、そのあと出たシリーズの内容は反映しておりません。
古い文章ですが、2003年当時の私の思い入れが面白くもあるので手入れして掲載しておきます。



ギルティギアシリーズの考察・妄想コラムです。
内容はほとんどザトー・ミリア・アサシンズが中心。下から順に古→新です。

誰が駒鳥を殺したか・2
私は一応、初代取説の表記にもとづいて『ミリアは人を殺したことがない』と解釈していますが、
別に『殺したことがある』という解釈でもいけると思っています。公式からはどっちとも取れるし。

初代ソフトの取説では、『ミリアは初仕事のときに組織から逃げた』と説明されている。それならば理屈として、人を殺した経験はないということになる。
ただ、公式サイトのキャラ説明では『組織を脱退、逃亡』としか書かれていない。こちらだけを見るなら正式に仕事をしていたとも取れる。
またXXのストーリーでは、『ザトー逮捕に貢献、その功績により無罪放免』と書かれている。まあ組織に所属していただけでもしょっぴかれるんだとは思いますが、はっきり無罪放免と書かれているのは(つまり一度は罪に問われたということは)人を殺していたという感触のほうが強いかも。

また、正式には仕事に出てないけど、訓練の一環として殺人経験があるという解釈もできる。
小規模な依頼があるたびに新人を連れていき、あとはとどめを刺すだけという状況で実践させているとか。


鏡よ鏡よ鏡さん
私には、『自分の好きキャラがモテモテなのが好き』とか、『ちやほやされてるとうれしい』という嗜好はあんまりないのですが、ザトーとミリアはそのへんどうでしょう。

ミリアは設定からして美人であるらしく、「きれいな人だなあ」だの「佳人薄命」だのと言われますが、愛想がないうえに自分の目的のためには他人を蹴落とす人なので(行動理念=ザトー殺す)、モテるわけじゃないというのが個人的な感覚です。
顔がきれいかと聞かれれば、10人中9人はイエスと答えるけど、実際のおつきあいについては「怖い」「情が薄そう」という意見が返ってくる……というのが私の中でリアルです。
ザトーに至っては、作中で美形などとはひとことも言われてません
声がキザ担当の塩沢氏だし、かっこつけキャラなので最低限『端正』ではあるけど、特にハンサムじゃなくてもいい。
顔がかっこいいかと聞かれれば10人中6〜7人はイエスと答えるけど、「神経質っぽい」「悪くないけどちょっと暗そう」という意見も返ってくる……くらいが私の中でリアルです。


殺人狂時代
ザトー=ONEは、そもそもなぜ暗殺者の道を選んだんでしょう。
ザトーという人は基本性格が男性的つーか男の子そのもので、馬鹿ではないしちゃんと思考能力もあるけど、有無を言わさぬほどの『強いもの』があると問答無用で魅せられてしまう人のような気がする。
そして彼は『死』という存在のあまりの強さに負かされたわけだ。

頭のいい、あるていど自分に自信のある人ほど、一度負かされるとそれの信者になってしまう。
(「こんなに強くて賢いオレを負かした相手だから」という思考が根底にある)
信者になってしまうと、それをした結果どうなるか?というデジタルな思考が上手くできなくなる。

どんな偉人も大物も、殺してしまえばもう何も語れない。
そんな明快な回答は、悩みすぎた少年にとって啓示のように感じられたわけだ。

彼は『死』の持つ強さにすがり、それを他人に与えることのできる自分を誇っているけど、実は誇っているのではなく怯えているということを心の底では理解していて(それは自分の拾った少女から送られてくる視線ゆえ)、その事実を認めたくないがために、今日も彼は人を殺す自分を必死で楽しまなければならない。とか。


彼氏彼女の事情
年齢差から考えると、ザトーにとってミリアが『初めて懸想した女』というのは考えづらい。
過去には誰かしらお相手が居たんじゃないかと思うんですが、でも女嫌いだからどうなんでしょう。
「嫌いなものが女、という回答はミリアに裏切られて以降、付け足したもの」
という文章(from初代攻略本)を公式設定と取るかどうかにもよるけど。
(なんにせよ、女嫌いといってもザトーの言動はそっちの意味には見えないけどね)

故郷にいたころは誰かお相手がいたのか?
あるいはずっと、「女など必要ない」というスタンスだったのか?
誰とも(ミリアとも)そういう関係にはならなかった、という解釈でもいいんだけど、ええかっこしいだから少なくとも若いうちに金で買って済ませたんじゃないかという気はする。

私の本音はそりゃ、ミリアが初めてかどうかはどうでもいいが彼女と出会ったあとは一途なのが希望。


少女に何が起こったか
前から考えていたことについて書きました。
要するに『あの二人はやったかやってないか』ということがテーマです。男子中学生か私は。
客観的視点は心がけたつもりですが、こういった濃い話題が苦手な方は閲覧をお控えください。
お読みになる方はこちらへ。


2180年のライフスタイル
小説版の二巻によると、まんまラジオみたいなのはあるらしい。
テレビは不明ですが、三次元映像のやりとりはしてたし、大統領もパソコン的なもの使ってたし、似たようなものはあるらしい。
交通手段は飛空艇馬車が小説版で確認されている。たぶん前者は遠距離用、後者は中〜短距離用。
ハイソな方々が乗るものは自前、一般市民用は乗り合いではないかと推測してます。
あと、初代のアクセルステージには現役で動いてるくさい蒸気機関車もあった。ゼクスになるとあの機関車、動いてなくて展示してあるだけになりましたが、手前にはサブウェイと書かれた入り口があったりする。
地下鉄、通ってるとしたら動力は何だ? やはり法力か?
(どうでもいいけどイギリスでは地下鉄をサブウェイとは言わないんだけどね。チューブと言う。)

そういや小説版2巻のキャラのヴォルフさん、スペイン語使ってましたね。これってザトーとの絡みだろうか。


ラテンの民の言うことにゃ
『我々は記憶を共有していた』というエディ inside ザトー。
人の心とは、ごく冷静な言い方をさせていただければ記憶の容れものでしかない。
すなわち、記憶を共有する=その人自身であるということ。
ということは、エディに生まれた自我ってやつは、小ザトーというか亜ザトーというか裏ザトーというかそういうものであるはず。

ザトーという人間自身が基本にあると思いながらエディを見ると、なんだか楽しいことになります。
ノッリノリで嬉しそうに、「ゴ機嫌ヨウ、ワガ麗シキ姫君!」だの「好キナダケ悶エルガイイ地獄デナ!」などと言う彼を見ると……ああ、さすがラテン民族は熱くて濃ゆいわと。
真っ赤な薔薇のフラメンコや、血沸き肉踊るマタドールの、情熱の国の人なのねと。なんだかほほえましくなってまいります。
冷徹&慇懃無礼という方向でかっこつけてたザトー個人のタガが外れて、国民性だけが丸出しになってませんかエディ。彼がワールドカップの結果に一喜一憂し、オムレツにほうれん草が入ってないと怒り出す日は近い。

……ディズィーを奪われそうになったときに言ったエディの、「話ガ違ウゾ!」というセリフも、激しく聞き覚えのあるものでございました。(注:初代ザトーエンド)
寄生種の皆様、宿主はよく選びましょう。


アサシンズとチップ・2
スレイヤーによれば、『法で裁けぬ者に制裁を与える義侠集団』……というのが本来の組織のありようだったらしい。
また組織と言えば、ザトーという一介のチンピラが、トップにのしあがりたいなんて無理っぽい野望を叶えてしまった場所。
この二つ、考えてみたら、突拍子もない目標に真面目にとりくむという点でチップと共通している。
昔と比べると組織は堕落したようですが、どこかでそういう愛すべきバカを応援する空気が残っているのかもしれない。
(ザトーのそれは高望みだったんだけどね。人間的な器はたぶんチップのほうが大きい)

初代PS版におけるザトーからチップへの勝ち台詞。
 「フッ……敗者が走り回っていたことを思うと、滑稽なものだ」
これもそういう眼で見ると、近親憎悪に見えないこともないような。
対して×のアーケードモードでの、チップからザトーへの勝ち台詞。
 「犠牲にするものがなけりゃ何も手に入らないってのは、 テメェが三流の証拠だ。一生俺には勝てねぇよ」
ごもっともでございます。

……『つーかシナリオ担当の海法氏がチップ好きだからひいきしてんだろ』という、私自身も書き終わってから気づいたようなツッコミは、謹んで辞退させていただきます。


アサシンズとチップ・1
チップは師匠をアサシン組織に殺された。だから仇討ちをするつもりでいる。
しかしそのアサシン達のほうは……どうもチップのこと超気に入ってませんか?
●ミリア
 「フッ…ハハハハ。(中略)怒るな、笑ったのは久しぶりだ。さぁ未来の大統領の腕前を見せてみろ!」

声あげて笑いますよあのミリアが。久しぶりなんだって。
●ヴェノム
 「フフフ、(中略)よかろう。貴様が僥倖に恵まれ、大統領となることがあれば、我が組織の力を存分に使うがいい」

やっぱり笑われてるけど、やっぱり気に入られてます。
あの忠犬をあっさりたらしこむとは、よく考えれば恐ろしい悪女っぷりですチップ。
●スレイヤー
 「ふむ、仇討ちか。見上げた心がけではあるな。ならばこのスレイヤー、信義にかけて誓おう。貴様の生きている間は、貴様以外の手にかかって死にはせぬよ。腕を磨いて出直してくることだな」

誰に対しても達観で通してきたスレイヤーに、ここまで言わせたチップ。
やっぱり希代の悪女。


かくも永き不在
私は塩沢兼人という声優が誰よりも好きでした。好きな声優と聞かれれば必ず答えてました。
しかし、声優さんが亡くなったからキャラもそれに殉じさせるというのは……
アンジェリークは、クラヴィスを削除しなかったんだけどな。いさぎよい姿勢ではあるけど、突発的な事象を理由にしてストーリーそのものを変えてしまうという行為が、私にはなんとなく残念に思える。

むろん、最初からザトーが死ぬ予定だったんならそれでいいんですよ。
「ストーリーとして死ぬと決まったのだから、いかにファンが嘆こうとも展開を曲げて生き残らせたりはしない」という姿勢は当然ながらいさぎよい。
しかしザトーの場合、いわば逆でして……
ムックにおいて石渡さんは、『当初は、ザトーが自我を取り戻してエディが去るという展開を予定していた』と発言している。曲がったのはつまりストーリーの方。
語られなかった物語。いまさらそれを本筋にしてほしくはないけど、もう気になって気になって。

エディが去ればザトーは普通の人間に戻る。生きてはいてもストーリー上からは消えたのかも知れない。
でも、それが元々の展開であったのだとしたら、私はそれを見たかった。本来のザトーの姿を見てみかった。作品世界自体から消えてしまった今、その願いは叶わない。
イグゼクスでは死にルートも多かったアサシン達ですが、そっちは普通に楽しみました。マルチエンディングというのはIFのドラマなので。
でもザトーはIFの話ではなく、設定として明らかに死んじゃったからなあ……


妄想とあきないは止まらない電車  ★妄想度が高いバカ話
かつて腐女子のあいだで絶大な人気を誇っていた、『間の楔』というJUNE系小説があります。
その筋では有名だった作品で、ハードかつダーク、シリアスで淫靡、しっかりした小説でとても面白いのですが。
それに出てくる攻めの男が、長髪のブロンドで冷たい蒼の瞳、長身に冷徹な美貌、闇マーケットを操る影の帝王でして。(しかも受けのほうも、飼われている自分がイヤで反発しては逃げ出そうとするスラムの少年)
私はこの小説は昔から好きだったのですが……久しぶりに読んでみたら、甘い平穏など無い、傷つけあう形でしか惹きあえない歪んだ執着の関係は、私の中で誰かさんたちを彷彿とさせまくりでした。

CDドラマ・OVA化などもされたのですが、声はもちろん塩沢さん
『そのイキのいい心臓を抉り出して頬擦りしたくなる』だの言うんですって。あの声で。
つい脳内で誰かさんに当てはめながら聞いてしまい、萌えのあまり部屋を転がりまわりました。
(まあザトーとはかなり違いも多いんですが、声が声だし外見のイメージがかぶるし、当てはめっこ遊びの延長ということで)

『俺のせいで立場がまずくなってるって本当か?』などと受けの少年に聞かれ、『そんなこと、誰から聞いた?』なんてうそぶくシーンも……
もうね、泣くかと思った……


誰が駒鳥を殺したか
初代PS版ギルティギアの説明書には、ミリアは『初仕事のときに組織から逃げ出した』とある。
ということは、彼女は人を殺したことがないわけだ。
(でも、ミリアの台詞には死をほのめかすものが多く、やっぱり殺人の経験くらいあるんじゃ?と考えるファンは多い。ザトーを『殺す』という選択しか思いつかなかったしね人殺しを嫌ってるわりに。そこに萌えるわけですが。)
この記述に従うなら、『暗殺者として人を殺したことはない』ということになる。
でもそれだと、ミリアが逃げたのっていったい何歳のとき?という疑問も出てくる。

確かにフィクションの中にはよく、『年端もいかない暗殺者』というキャラクターが出てくる(そのほうがドラマチックだからね)。子供のほうが明らかに都合がいいという場合のために、専用ワクがあるだろうとは思う。
しかしリアルに考えるなら、そんな事例は頻繁にあるものではない。
一般的な訓練生は、それなりの年齢まで修行してから初任務、というスタイルで十分だったのではと。

まあザトー的には、『子供にやらせるのはしのびない』と思ったわけではなく、『長く修行をつんだ精鋭のほうが、成功率も生還率も高い』と判断しただけなのかも知れませんが……
でもそう思わせた理由が、他ならぬミリアの存在だったら嬉しいなと。


ピーコさん出番です
股間が恥ずかしい・尻の割れ目もばっちりと大人気のザトーファッションですが、あれは本当に全身タイツなのでしょうか。
ぱっつんぱっつんなのは見りゃ解るけどせめてセパレートであって欲しいです。
繋がっているのとそうでないのとではマヌケ度が大きく違います。
私はここに、資料を元に理論的な説を展開し、どうにかして全身タイツ説を全力で否定したいと思います。

まずは初代攻略本の全身図。裸に黒ペンキ塗っただけのようなぴちぴちっぷりですが、でも腰のベルトのせいで解りません。
次はゼクスのムック。キャラ絵はともかく描き下ろしのピンクなザトーをご覧下さい。トップとボトムでフィット感が大きく違います。これは両者が繋がってない大きな証拠!
……でも、腿のあたりから膝下までは、今まで通りぴちぴちです。
尻と下腹部だけ急に痩せたのかしら。頼むからごはんちゃんと食べさせてエディ。

XXのムック、ドラフティングアートワークスと見ていき……その中にあった、『ハイブリッドカードコレクション』に目が止まりました。
調べはじめたところ、一枚目でとっとと答えが出ました。
一枚目のカード、左上にいるザトー。ベルトしてませんね。
ベルトを取ったその姿は、どう見ても、トップとボトムが繋がっている全身タイツですね。

撃沈。


スペイン人とロシア人
それぞれの特徴について調べてみました。

●スペイン人:陽気・情熱的・マイペース。男性は女性に対してかなり積極的にアプローチする。なるようになるさという人生観。だから毎日を刹那的に、気楽に生きる。
……調べるにつけ、どこかのアサシン頭領のスペイン人らしくなさが浮き彫りになります。
「女に積極的」と「あいつ一筋」もちょっと違うしねえ。それとも禁獣に走ったのはこの国民性の影響か?

●ロシア人:暗い・後ろ向き・悲劇好み。不幸や不安には慣れきっている。忍耐強いがその一方で流されやすい。離婚率が非常に高く、原因はたいてい夫のアル中&浮気。
……こちらはわりと、どこかの髪使いのイメージと合わなくもないあたりが逆にイヤです。

なお、「ロシア女性との結婚のすすめ」というサイトの一文によると、
「ロシア女性は働き者です。しかし欧米のようにフェミニスト的ではなく、自立を誇ったりしません」
……自立心の強い、男に振り回されるのをよしとしない彼女は、稀有なロシア女性のようです。
ちなみにこうも書いてあります。
「ロシアの昔話は、怠け者だがやさしい人物が、幸運によって成功するストーリーが多い。真面目にコツコツ努力する人のことは、陰気でイヤな奴と考える傾向がある」
……「真面目にコツコツ努力をする人間は、陰気でイヤな奴」……
ザトーが現場からの叩き上げの努力の人、というのは確か公式設定だったはず。あーあ。
(でも、禁獣が真面目に努力したうちに入るかどうかはかなり怪しい)


ザトミリ・3
運命や境遇に翻弄されてすれ違うふたり。ならばもしザトーが人殺しでなければ、2人はうまくいったか?
……無理っぽいなあ(即答すんなよ)
ここまで酷い関係にはならないにしても、オールオッケーラヴカップルになれたかというと、それは無い。
でも、それでいて離れがたい。
一緒には居られないくせに、居なくなることは考えられない。そんな関係になっていたのではと思います。

『幽白』の幽助の両親みたいな関係?
 (でもさすがに、あそこまで悟ることはできない気もする)
『BASARA(田村由美)』の銀子さまと柿人のような関係?
 (ザトーには柿人ほどの甲斐性はない……でも歳を経てなら、ああいうバランスも取れたのかも)
映画『ストレイトストーリー』の兄弟のような関係?
 (ふだん顔も合わせないが、倒れたと聞けば幾日かけても会いにいく。いざ顔を会わせても、何も言いはしない。ただふたりで一緒に星を見る……)

ちなみに個人的な理想は、中島みゆきの『仮面』です。こちらで歌詞を見れます。


ザトミリ・2
ザトーのほうがストーカー的に思われがちなのは、「彼女に救いを求めている」という設定のせい?
でもザトーが生前、本当にストーカーのごとくミリアに一方的な期待を抱いたり、勝手な理想像を押しつけたりしてたのかというと少し違う気もします。
だって忠誠心うっすいわ自殺未遂常習犯(by初代取説)だわの問題児ですよミリア。
そんな面倒くさい少女に、ヘタレ男が、都合のいいドリームを抱きつづけるのはむずかしい。
では彼はなぜ彼女に惹かれ、そこに救いを見出したのか?

……元来ヘタレのくせに裏社会に属しているザトーにとって、組織に染まりきらない彼女は、よい意味で中途半端な存在。
厄介であるがゆえに気にかかる存在。心をいつもそこに残している場所。失くしてしまった何かのある場所。
つまり『故郷』。
変な見返りを期待しなくても、ただそこにあるだけで救われる存在。それが故郷。
ミリアにとってのザトーもそうだった。ただし――禁呪を付ける前の彼が。

彼らは、故郷を取り戻すための戦いに身を投じたのかも知れない。とか。


ザトミリ・1
初代PS版では、ミリアもザトーも「会いたかったぞ!」・「私もよ!」とお互いに相手のことを意識しまくったセリフの応酬がある。
ゼクスになるとミリアのほうが、行方をくらましたザトー(=エディ)を追っている。
……にも関わらず、ザトーのほうだけが「執着が深い」などと注釈がつけられてストーカー呼ばわりされがちなのは何故でしょう?
追いかけ回してるのはミリアのほうなのに
(もちろん、ザトーもかなり執着はしてる。ただ執着の度合いは両者とも同じくらいのはず)

また、ミリアのセリフには『束縛』のイメージを匂わせるものも見られますが……
これはザトーによる具体的な束縛というよりも、基本的にはミリア自身のメンタルの問題だと思います。
自分自身の矛盾に身動きできなくなったのが、彼女の『束縛』。
部下には優しかったらしいザトーとか、ザトーを再起不能にしたことの罪悪感にかられるミリアとか、そのへんの辻褄を合わせればこうなる気がします。


限りなく自分に近い遺伝子
人格形成のうえで、兄弟・姉妹の存在は大きなウェイトをしめると思います。
そこでニクいあいつらの兄弟構成を勝手に妄想してみました。

ソル:     硬派な科学者・フレデリックさんはひとりっこのような気が。あの男を兄のように慕っていた?
カイ:      なんか女の兄弟が山ほどいそう……(ストーリーモードにおけるスケこましっぷりを見よ)
ザトー:    ひとりっこか長男かのどちらか。たとえ長男でも、妹はひとりも居らず男ばかり。
ミリア:    早いうちに組織に拾われたっぽいけど、もしかしたら母親の腹に弟か妹はいたかな?
メイ:     早いうちに快賊に入ったので考える意味ないけど、やはりスタンダードに末っ子か。
アクセル:  真ん中っ子のような気がしますね。上に逆らわず下を適当にあしらう。
ポチョ:    ……実はめっちゃかわいい妹がいるとか……
チップ:    スラム育ちなので兄弟は怪しいですが、同年代の集団で仔犬のようにころころ育った感じ。
梅喧:     ぜったい弟がいる!(何故)でも既にお亡くなりだと思います。
ファウスト:  ある日突然、木の股から生まれたんじゃ……
闇慈:     あんがい真ん中っ子のような気が。人づきあいというか、世渡りがうまいほう。
ジョニー:  この人もなんとなく長男気質。女のきょうだいは、いても姉。
紗夢:     自己中娘はスタンダードにひとりっこでもいいけど、実は美形な兄貴がいたりしたら面白い。
ヴェノム:  この人も孤児なので考える意味ないけど、下にいっぱい弟妹のような存在がいたのでは。
テスタ:    あの融通のきかなさ(fromストーリーモード)は悪い意味でひとりっこだ。
ディズ:    この子は設定的に考えてひとりっこでしょう。兄弟いたら大変だぞ。
スレイヤー: 人外だから……
イノ:      いまいち人外くさいですが、人間時代ってあるのかなあ?
ブリジット: この子に関しては、公式ではっきりと双子の兄弟がいる。
ザッパ:   オーストラリアンだからきっと大農場の子で、男も女も兄弟はたくさんいて、その次男坊とか。

あの世界ってつい最近まで戦争やってたから、兄弟がいそうな人も、生死は怪しいんですけどね。


ヴェノムにまつわるエトセトラ
●人として
――アサシンズ3人衆のうち誰かと友達になれと言われたら迷わずこの子を選びます。
●「任務以外の殺生に心苦しさを覚える」 (公式より)
――XXのシナリオにおける喧嘩ふっかけまくりの彼は何かの間違いだったのか……
●「穏やかで素直な性格・何事にも冷静に対応する」 (公式より)
――でも上司のことになるとけっこう感情的。あれかな、冷静にザトーの欠点なども見抜いたうえで恩返しのつもりでサポートしてるってことかな。
●部下の鑑
――小心者のザトーはヴェノムをそう思いつつ、ある種の脅威も感じていたかもしれない。下克上でのし上がった男はそれが自分にも繰り返されはしないかと有能な部下を警戒する。(まあ取り越し苦労なんだが)(てかザトーって部下への情はあるけど本当は誰のことも(ミリアのことも)信頼はしてなさそう)

●個人的な妄想
――ヴェノムはミリアに自分と似た匂いを感じ、自覚はないままにザトーとミリアの両方に『独占欲』と『嫉妬』を感じていた。
ただ彼は、満たされはしなくても、同じ匂いのする人と同じ崇拝者に仕えていられればそれでよかった。
でもミリアは裏切り、ザトーは死んだ。
ミリアを自分と重ねてザトーを想い、またその裏返しでミリアをも想っていた彼としては、取る道はひとつしかない。ミリアを殺してザトーと同じ存在にすること。そうすれば、ずっと両方を同じだけ想っていられる。
(……XXの、『引き裂かれた双子』発言とその後の死にオチに、ついこんな妄想をしてしまいました)



エディにまつわるエトセトラ
●それにしても
――子安さんいきいきしすぎです。
●『空前ニシテ絶後ナルギアノ姫ヨ!』
――レア度というなら彼もディズィーと同じようなもの。なのにこの立場の違いと相容れなさはなんだろう。孤独感が煽られる切ないセリフ。
●『我々ハ記憶ヲ共有シテイタ』
――生後一年目にして、成長しきって融通きかない価値観とみえっぱりの自意識を植えつけられ、リミットのある命をケモノの視野でさまよう。うわあ。
●『ワレヲ追エ!ソシテ殺セ!』
――ケモノだったら何も考えず逃げまわれる。人間だったらもっとずるくやれる。四面楚歌のこうもりは哀しいほど不器用。
●「存在していたという証を残したい」 (公式より)
――この子は生殖機能あるのかね。ギアの派生生物ではあるけれど、自滅がプログラムされているとなるとなあ。
●でも快楽だけは
――あれは脳で感じるものだから、人の精神の中で成長してきたエディには味わえるのかも。


ミリアにまつわるエトセトラ
●「女であることを意識しない、メリットもデメリットも感じない」 (公式より)
――と言うわりには大事なものが貞操って何。
●「染み付いた排他的思考に苦悩」 (公式より)
――いっつもちょっと情緒不安定。でもそれは顔にも態度にも言動にも出ない。そして本人も気付かない。
●「わずかな善意が人を殺すことに抵抗した」 (公式より)
――苦痛から自ら死を求める人がいても、彼女は殺せないのかも。判定のあやういその混迷だけが自分を人間たらしめると思っているから。
●ミリアとザトーの年齢差
――10歳くらいかな。拾われたのが8歳くらいのころで、当時ザトーは18か19。(やっと一人前の下っぱ)
●いつから?
――ザトーではなく、ミリアが先に意識しはじめたのではと思います。ザトーにはそんな度胸も甲斐性も逆にないので。
●この先?
――個人的にはもう出ないでください。必然性がない。どこかでひっそり半生を噛みしめさせてあげて。


ザトーにまつわるエトセトラ
●「趣味:花言葉/大事なもの:プライド/嫌いなもの:女」 (公式より)
――ファンにいじられるためにある設定です。
●A型気質
――身内にしか優しくない無駄な一本気。責任感だけはあるので、どんなに偉くなっても自分で現場に出る努力型みえっぱり。
●「保身を突き詰めた小心者」 (公式より)
――初代GGを知らない方はぜひ見てください。エンディングの見事なヘタレっぷり。私はこれで萌えました。
●「心の底には善意も存在」 (公式より)
――仕事にはマジメで部下にも優しいとくれば、上司としては悪くない。あとは自分の器をわきまえてれば良かったのにね。
●暗殺業についての考え
――「生物の基本は弱肉強食」とかつまんない言い訳しそう。本当は思考を放棄してるだけのくせにね。
●視界を拘束したデザイン
――エロチシズムがあって大好きです。ゲーム画面を見るたびに思います。「うそだ、ザトーがかっこいい!」(待てや)


フーズザットガール
ザトーの必殺技、『ブラック・イン・マインド』。
麗しい女性が瞬時に髑髏と化すエフェクトですが、あの女性は誰?
……『幼いころに死に別れた母親』がやっぱお決まり?
『父親の後妻』『腹違いの姉』なんかもいかがでしょう。どうも昼メロ路線ばっか出てきますが。

ザトーの産まれについては、原作では何も言及されてません。
暗殺者への道を選んだくらいだから元孤児とか元ストリートチルドレンとかでもいいんですけど、彼からはそういうハングリー精神があまり感じられない。
「今日食えるかどうか」という日々を生き抜いてきた感じがしない。ええかっこしいだし。
(地位を手に入れてから落ち着きを身につけた、という解釈でもいいけど)

仮定するなら……そうだなあ、ザトーの父親はきっと卑屈な小役人で。
贈賄や汚職などにささやかに手を染めつつ、彼は彼なりにせちがらい世の中を生きのびようとしてたんだけど、潔癖なところのあった自分の息子には理解を得られなかった。
(家庭的にだらしなかった、あるいは妻子に対して傲慢なところがあったのかもしれない)
そのうち理解どころか反発を買い、ザトー少年は「父のようにならないためにはどうすべきか」のみを考えるようになり……何かのきっかけを経てその思考は極論化し、欺瞞と妥協に満ちたシステムに失望した彼は、それならばとシステム自体が存在しない裏社会と繋がりを持った。とかどうでしょう。

『ブラック・イン・マインド』のエフェクトの話に戻りますと……あの女性、デザイン的にみるなら人間じゃない可能性も高いですね。
個人的には、『ザトーが小さいころ絵物語の聖書の本で見て心奪われた、美しい水彩画の天使』とかだといいなと勝手に考えてます。(でも今は忘れていて無意識に出してる)
カユいですね。はい。


君の名は
ザトー=ONEという名前。私はこれは、暗殺者としてのコードネームだと思います。
本名じゃないだろスペイン人。ってこの理屈だと『レイジ』という姓がロシアで一般的かどうかも怪しいけど。
むろん元ネタは『座頭市』からですが、これはあくまで製作者のお遊びであって、本人が意識して名乗ったわけじゃなさそう。
コードネームってのは、初めて仕事をするときに付けるわけで。
何かの作戦の管理上、各自の呼び名に続けてそれぞれ数字も付属していたのがそのまま彼のコードネームとして定着したとかどうでしょう? 現場の人ならそれもアリかと。

じゃあ本名はなんでしょうねザトー。スペイン人。
『カルロス』とかは勘弁してください。ジルのためにワクチンを取りに行かなきゃならなくなる(何の話だ)


先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし
ザトーの地位の名称……要するに、アサシン組織のトップを張る人物への敬称。
作中ではこれが統一されてない。
まあ、細かい正式名称なんてものはなく、通じればそれでいいんでしょうけど。(近しい人は『ザトー様』でこと足りるし)

ざっと数えてみたところ、暗殺組織の『リーダー』という表記が一番多く、プロフでもこの語が使われている。
ストーリーモードや小説版は、『頭領』『首領』が同じくらいの頻度でちらほら。
ファウストに一回だけ『総帥』とか呼ばれててかっこいいけど、これはかっこよすぎてなんだか浮いてる。
とりあえず私の二次創作では、『頭領』でおおむね統一しています。